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2017年 03月 31日
ソニー・スティット(1924-82)はパーカー(1920-55)のおかげで損をした。 確かに似てる部分はあるが、真似をしたかどうかはわからない。単に同じ時代にビバップを創ったから似たのかもしれない。だが、模倣と言われて嫌気がさし、一時期サックスをアルトからテナーに変えた。すると今後はレスター(1909-59)の真似だと言われた。いやはや、上手過ぎる名人はどこへ行っても叩かれる。 でも、私はスティットとバードの一番大きな違いは唄い方だと思う。スティットはバードと違って、吹くのが楽しくてしょうがないと、思わず唄ってしまうような所がある。技巧も時々過ぎる時がある。そのため、どこか表面的な軽い感じがするのは否めない。でも、時にはそれがいい結果につながることもある。 「The Modern Jazz Sextet」の「Tour de Force」がいい例だ。 このアルバムは、ノーマン・グランツお得意の、人気ミュージシャンを集めてセッションさせ、録音、発売したお手軽なものだが、名人同士の演奏は思いの外聴きごたえがあり、おもしろい。特に1曲目の「Tour de Force」は11分40秒もあるが、その長さを感じさせない名演だ。 まず最初に全員のユニゾンで始まり、1:21からスティットのアルトソロが始まる。このアルトの音色がいつにも増して素晴らしい。そして2:17辺りからご機嫌なスティット節が始まり、3:12から、スティットとしか言いようのない唄が繰り広げられる。(こんなにストレートに吹きまくるスティットも珍しい) それに触発されて、続くガレスピーもノリノリのペットソロを展開する。そして、それを受け継ぐ、いつもはクラシカルなのにどこかノンシャランとした、ジョン・ルイスのピアノもとてもいい。(ジョン・ルイスの演奏の中では一番好きだ。)最後はスキーター・ベストのギターが締めて、再び全員のユニゾンに戻り、終わる。 起承転結の妙が感じられ、何度聴いてもおもしろい。 スティットはアルトも素晴らしいが、テナーはそれ以上に素晴らしい。 私はスティットのテナーの音色が大好きで、そういう意味ではロリンズやコルトレーンの次くらいに好きなテナーマンだ。 晩年、彼は日本に来てコンサートを行なった。偶然、FMから流れる「いそしぎ」を聴いて、そのテナーの音色と巧さに思わず聞き惚れてしまった。 この来日時にスタジオでスティットが吹き込んだアルバムがあると聞き、そのLPを買った。だが、それは期待した程ではなかった。 Jazzは生ものだ。人生と同じで、出会いは一期一会なのだ。 もう、彼は亡ない。 しかし、あの「いそしぎ」は今も私の心の中で鳴っている。 かずま
by odyssey-of-iska
| 2017-03-31 18:29
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