お気に入りブログ
検索
以前の記事
2022年 12月 2022年 06月 2021年 09月 2020年 07月 2020年 04月 2019年 11月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 02月 2018年 10月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 01月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 06月 2011年 10月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 03月 2009年 12月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 05月 2009年 03月 2009年 02月 その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年 10月 10日
昨日、横浜で久しぶりにJazzの雨を浴びた。 横濱ジャズプロムナードだ。 ジャズ友のSとその愛娘Aちゃんとホコ天の日本大通りで待ち合わせてランチし、それから一人でいろんな会場をハシゴしながら夜遅くまでJazzを堪能した。 横浜は神戸と共に日本のジャズ発祥の地といわれ、関内を中心とした比較的狭いゾーンに数多くのジャズクラブが集まるJazzの街だ。(私は「終の住処は横浜」と決めているが、それは生まれた長崎と似てるからという理由の他に、もう一つの理由は、いつでも気軽に気兼ねなくJazzが聴けるからだ) その横浜で18年前からこの時期にホールやクラブ、街角で2日間に渡って同時多発テロのようにジャズの演奏がおこなわれ、それを聴きに10万人以上の人が集まる。 今年も8つのホールと25のジャズクラブ、14の街角で演奏がおこなわれ、多くの酔狂が集まった。私もその一人だ。 最初に開港記念会館に行った。 この建物の角にある時計台は「ジャックの塔」と呼ばれ、横浜税関の「クイーンの塔」、県庁の「キングの塔」と共に有名だが、私は断然この建物が好きだ。赤煉瓦の外観に風情があり、横浜の歴史を一番感じさせてくれる。中のホールも雰囲気があっていい。音響なんか関係ない。ここでJazzが聴けるだけで幸せを感じる。 古野光昭フルノーツがやっていた。 なんとピアソラの曲で、タンゴのリズムに乗って繰り出す川島哲郎のテナーがカッコイイ! 最近、仕事にかまけてライブをサボっていたが、彼のテナーでいきなりジャズのスイッチが入ってしまった。 次に横浜メディアビジネスセンターの1階にあるヨコハマNEWSハーバーに行った。 遠藤律子with Funky Ritsuco Version! がやっていた。 サンバのリズムに乗って藤陵雅裕のアルトが乗りに乗って吹きまくっている。 それはとてもハッピーで楽しい演奏なのに、あまりに美し過ぎて私は思わず涙が出た。 9年前にチンさんが「俺のバンドが解散するから聴きに来てよ」と言われてEAST BOUNCEの解散ライブに立会い、そこで偶然彼の演奏を聴いて以来ずっと私は彼のファンなのだが、もっともっと評価されていい、日本が世界に誇るサックスプレイヤーだと思う。 それから、山本剛トリオを聴いた。 「一年中練習し、毎日やってる曲を次にやります」と言って十八番の「Misty」をやった。 だが、私には毎回どこかが違って聴こえる。けっして同じことの繰り返しではない。 ツヨシさんのピアノを聴いたことのある人ならすぐにわかることだが、彼の最大の特徴は、その顔からは想像できない程の(失礼!)透徹した美意識の凄さだ。それをいつもジョークとユーモアで隠すのだが、一旦それを知ってしまうと虜になってしまう、麻薬のようにアブナいピアノだ。 ツヨシさんは独学でジャズピアノを習得した人で、毎日「Misty」を練習することで美意識を研ぎ澄まして行き、独自のスタイルに到達したに違いない。またそうすることでいろんなバリエーションを生んだ。 同じ曲を聴いてもその違いを聴き分けるのがJazzの楽しみの一つだが、今回は途中からミディアムテンポになり、野山を散歩するような楽しい「Misty」だった。 その後、関内ホールに行き、カナダから来たシャッフル・デーモンズを少しだけ聴いた。 予想以上にビートとブロウが利いてて、パンクでおもしろかった。 だが、それ以上に気に入ったのは、鬼武みゆきwith Friendsの演奏だった。 全く予備知識無しで聴いたのだが、ゲストのグラストン・ガリッツァ とSaigenjiの入った歌と演奏は、ブラジルのミナスの風とスペインの香り、そして日本人のJazzが混ざった、フレーバー豊かで楽しい音楽だった。 途中で、客席からお題をもらい、即興で演奏する、いかにもJazzらしい遊びもおもしろかった。(「海軍カレー」「福島のみなさんのために」「希望」という難しい???お題にも関わらず、トリオがそれぞれの音を聴きわけながら音楽を紡ぎ出すのには驚いた) 最後に板橋文夫オーケストラを聴いた。 そうそうたるフリージャズミュージシャンが揃って繰り広げられるジャズはさぞかし難解かと思いきや、意外と聴きやすく、(かと言って板橋文夫のことだから当然ナンパではなく、)半端でなく凄かった。 特にラストのバラード「あぁー!飯館村!」は感動的で凄かった。 福村博のふっくらしたトロンボーンで始まる美しい山野の景色がやがて悲劇に見舞われ奪われて行く様がまるで目に浮かぶようだった。 それを林栄一のアルト、片山弘明のテナー、吉田隆一のバリトン、太田恵資のヴァイオリン、立花泰彦と瀬尾高志のツインベース、小山彰太と竹村一哲のツインドラム、そして御大、板橋文夫のピアノに身体を叩き付けるような熱演につぐ熱演で、これでもか!これでもか!と観客に訴えかけて来る。 そして終わったと思った瞬間、御大の何とも言えない美しいピアノのバラードが始まり、それに続いてあの熱演が再び始まる・・・ 私はこれまでフリージャズの激しい音とパフォーマンスはそれほど好きではなかったが、今回初めて、フリージャズとは全身全霊で音に魂を入れ、音楽を作り上げて行く作業なのだということを身体で知った。そして好きになった。 夜9時近くに終わった。 外に出ると雨が降っていた。 Jazzで火照った身体に冷たい雨は気持ちよかった。 横浜の街を濡れて歩いた。 かずま
by odyssey-of-iska
| 2011-10-10 17:36
|
ファン申請 |
||