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2009年 10月 29日
先日、出張先の札幌でチンさんとツヨシさんのDUOを聴いた。 最初のステージはこの二人にしては固かったが、2ステージ目からはいつもの調子になり、最後のアンコールは、チンさんが本来のベースではなくピアノで「Everything happens to me」をやってくれ、そしてツヨシさんが「東京から来てくれた人(私のこと)のために」と言って、Misiaの「Everything」をやってくれた。涙が出そうになった。 この曲をツヨシさんのピアノで初めて聴いたのは、確か5、6年程前で、高田馬場の「ホットハウス」だったと思う。 いつものようにピアノと遊ぶような感じでいろんな曲のイントロを(フェイントをかけながら)弾き弾き、次にやる曲を探している最中に、突然このメロディーを弾き始めた。 もちろん、「Misty」と聴き間違えるくらいの、美しい山本剛節で。 それ以来、この曲を聴く度に胸騒ぎが起こる。Misiaの歌はもちろん好きなのだが、それ以上にツヨシ節のピアノは艶かしくグッと来る。しかもこの感じはCDではダメで、ライブでないと伝わらない。 思えば、最初に聴いたジャズのライブが山本剛だったことは私にとって幸運だった。 それはBody&Soulがまだ六本木にあった頃で、当時、そこのハウスピアニストだったツヨシさんは、コッコウさん(稲葉国光)、シンジさん(守新治)とトリオで毎週出ていた。80年代の初頭で、まだジャズに関してひよっこだった私は足繁く通い、毎回彼らの演奏に酔い、増々ジャズが好きになっていった。 では、なぜ山本剛だったことが幸運なのかというと、ツヨシさんのピアノは毎回ジャズの楽しさ、おもしろさを堪能させてくれると同時に、ジャズの豊かさ、奥深さ(ブルースやソウル)も教えてくれ、最終的にはジャズの艶かしさ(エロス)までも体感させてくれるからだ。 世の中に上手にきれいに弾くピアニストはたくさんいても、山本剛ほど、女を愛おしむようにピアノを艶かしく鳴らせるピアニストはいない。それをライブで聴くのは至福の瞬間である。 チンさんに初めて会ったのも六本木のBody&Soulで、たぶん85年の暮れだったと思う。 その日の演奏が夜の12時近くに終わり、帰ろうとしていたところ、どういうわけか仕事を終えた4人のベーシストがBody&Soulに遊びに来て、代わり番こに1曲づつやるベーシスト大会が始まってしまった。当然ながら帰るのはやめて、それに聴き入った。 最初にGさんがやった。実は私はGさんのLPを2枚程持っていて、その歌うベースが大好きだったのだが、初めて生で聴く演奏はそれほどでもなかった。 次に知らないベーシストに代わり、演奏が始まった。とたんに耳が釘付けになった。今まで聴いたことが無いくらい歌いまくっているではないか! 「誰なんだ!こいつは?」と思わず口から出てしまった。 すると、すぐそばにいたBody&Soulの古株(私は心密かに「長老」と呼んでいた)が、 「なんだ、お前は!鈴木良雄も知らないのか!?」 当時、チンさんは12年のアメリカ滞在から戻ってきたばかりで、それ以前の渡辺貞夫グループでの活躍など、まだジャズのひよっこだった私には知る由もなかった。 でも、このショックのおかげで、私はしばらくの間、チンさんの追っかけをした。 チンさんは元々ピアニストとしてプロの世界に入った人で、ナベサダの助言でベーシストに代わったという変わり種だ。だから(特別な時にしか弾いてくれない)ピアノと同様、ベースもメロディアスでよく歌う。だが、それだけではなく、バッキングの際はハーモニーに微妙なニュアンスを加えて全体のバランスをいつも最高に保っている。音楽家としてとても優れた人だなといつも感心する。 チンさんとツヨシさんの相性は抜群で、この2人にドラムを加えてトリオで聴くのもご機嫌だが、それにペットやサックスが入ってくると、余分なものが入っていると感じてしまう。それだけ純粋に2人の音を聴きたいといつも思う。 2人はもちろん、自分のトリオやグループで他の演奏家ともよくやっている。そしてその方がもちろん多い。(時々そちらの方も聴きに行く) でも、年に数回DUOをやる。そんな日に偶然出会うと、なんて今日は幸運なんだ!生きててよかったな!と神に感謝したくなる。 これからもずっと2人のいい音楽を聴いていきたい。 かずま
by odyssey-of-iska
| 2009-10-29 21:34
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