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2016年 03月 31日
今月初め、長らく手掛けていたビューティーサロンが完成しオープンしたので、マニラに行った。 オープニング・パーティはてっきり内輪だけだと思っていたら、隣のラウンジ・レストランも借り、200人以上の招待客で、歌やヘア・アーティストによる新作発表ショーもあり、おまけに設計者として紹介され壇上に上らされた。その後サロンに移って内輪のパーティが始まったが、さすがに疲れたので、ほどほどに切り上げ、ホテルに戻って休むことにした。 だが、ホテルのカードが不調でエレベーターが認証しない。しょうがないので、フロントで新たなカードに換えてもらった。 それができるのを待つ間、何気なく周りを見ていたら、どこからともなく「What is this thing called love」(恋とは何でしょう)が聴こえてきた。 ホテルのラウンジで軽いムーディーなJazzが流れてくる、というのはよくある。 だが、この演奏はもう少し本気だ。サックスもきちんとフェイクし、ドラムやベース、ピアノと4バース・チェンジを繰り返す。 カードができたと美人のコンシェルジュが言うのに、私の心はもうその演奏の方へ行っている。結局、部屋へは上がらず、ラウンジでウィスキーのロックを飲みながら彼らの演奏を聴くことにした。 このホテルのラウンジは馬鹿でかい吹抜けで、おまけに演奏する場所が2階なので、音の悪いことったらありゃしない。演奏者の顔もベースとサックスとギターは何とか見えるが、後のピアノとドラムはまったく見えない。ということは向こうからもラウンジの客の様子はわからない。 だが、こうした悪条件にもかかわらず彼らは懸命に演奏する、というか、客がどうであれ、自分達の演奏に没頭して弾きまくっている。そしてJazzを演奏することへの喜びが自然と伝わってくる。聴いてる私も自然と笑みがこぼれる。 だが、周りの客は困ったものだ。熱演なのにまったく無頓着で、ワイワイガヤガヤうるさいことこの上ない。それに抗議するかのように、私は一曲終わる度に大きな拍手をする。だが、ワイワイガヤガヤは少しも変わらない。 そのうち2階で演奏しているメンバーのリーダーらしきベースが拍手に気づき、軽く会釈する。サックスとギターもそれに気づき、軽く手を上げる。 遠く離れた観客とメンバーとの間にテレパシーが通じ、演奏はここからどんどん盛り上がっていく。 インターミッション(休憩)になったが部屋に戻る気がしない。そのままウィスキーのロックをダブルでおかわりし、次を待った。 再開の一曲目は、なんとチャーリー・パーカーの「ドナ・リー」を演った。 次もパーカーの「コンファメーション」だった。 まさか、マニラのホテルのラウンジで正真正銘のビバップが聴けるとは思ってもいなかったので、こいつら本当にJazzが好きなんだな〜と、感嘆を通り越して深い共感を覚えた。 そうやって終演まで聴いた。 終わった時には思いっきり拍手をした。 すると、全員が出てきて軽く会釈をし、手を振った。私も手を振った。 時刻は夜の11時を過ぎていた。 心地よい気持ちで部屋に戻った。 疲れが消えていた。 かずま
by odyssey-of-iska
| 2016-03-31 19:07
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